
以前お仕事をご一緒した方と久しぶりにお会いする事に。
待ち合わせ場所に着いて数分、なかなか来なくて電車でも遅れたかしら?と周りを見渡すと隣の入り口で何となく見たことある姿におおこちらの入口でしたかと無事合流。
同い年のその方、すぐ隣の入り口なのに何故気付かなかったんだろうとぼんやり考えながらの帰り道。
帰宅後、何か前より小さくなってたなあ。私もそんな感じなんかなあ。なんて話を院長としてたところ、

あなたは昔から小さ…ゲフンゲフン😆
歳を重ねると背中も丸くなったり、背骨の間の椎間板が薄くなって小さく見えたりするからねー

後ろで手を組んで落ち着いちゃっててなんか前と雰囲気違うんよ。

あ、それ「老け見え」の一因。で、自分で何とかできるやつだ。
後ろで手を組むと老けて見える?
結論から申し上げますと「後ろで手を組む」という仕草は残念ながら老けた印象を与えてしまいやすい姿勢です。 そのように見えてしまう身体的な理由は
- 「高齢者の歩き方」のイメージが強いため
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加齢とともに筋力が低下すると、背中が丸まり、頭が前に突き出た状態になります。そのままでは前に倒れてしまうため、後ろで手を組んで重心を後ろへ戻しバランスを取るようになります。
この「バランスを取るための仕草」が老人によく見られる姿勢として定着しているため、後ろで手を組む姿は無意識に「老け見え」というイメージと結びついてしまいます。
- 猫背・巻き肩で姿勢が悪く見える
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腰の位置で手を組むと、肩が内側に入り背中が丸まりやすくなります。
背中が丸い=若々しさが失われる最大の原因です。
横から見たときに首が前に出る「スマホ首(カメ首)」の状態にもなりやすく、これも老けて見える大きな要因となります。
若々しく見せるためのポイントは?
「老け見え」を回避しつつリラックスして立ちたい時は以下の方法がおすすめです。
- 手は体の横か前で
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歩く時は腕を自然に振るだけで躍動感が出て若々しく見えます。また、立っている時は手を前で軽く重ねる(おへその下あたり)と上品かつ活動的な印象になります。
- 胸を張るのではなく「耳と肩を離す」
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無理に胸だけを張るより首を長く見せるイメージで肩を下げると自然と背筋が伸びます。頭のてっぺんに糸をつけて真上にひっぱられた状態を想像するとイメージしやすいでしょう。
後ろで手を組む弊害は?
後ろで手を組む動作はリラックスしている時や考え事をする際についしがちですが、習慣化してしまうと身体にいくつかの弊害をもたらす可能性があります。 主に「姿勢のゆがみ」と「筋肉への負担」の2つの観点から解説します。
- 巻き肩・猫背を助長する
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後ろで手を組む位置が「腰」のあたりだと肩甲骨が外側に広がり、逆に肩が内側に入りやすくなり巻き肩気味になります。そして肩が前に出ることで胸の筋肉(大胸筋)が縮まり、結果として手を離した後も猫背の状態が定着しやすくなります。
- 反り腰の原因になる
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手を後ろに回すとバランスを取るために無意識にお腹を前に突き出すような姿勢になりがちです。重心が前に偏り、腰椎(腰の骨)に過度なカーブがかかるため、慢性的な腰痛や、ぽっこりお腹の原因になることもあります。
- ストレートネック(スマホ首)の悪化
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後ろで手を組んで歩くと、視線が下がりやすくなったりバランスを取るために頭を少し前に出す形になります。
頭の重さ(約5kg:お米5kgやボーリング玉11ポンド同等)がダイレクトに首の付け根にかかり、肩こりや首の痛み、ひどい場合は頭痛を引き起こします。
- 呼吸が浅くなる
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胸の前側の筋肉が圧迫され肋骨の動きが制限されるため、深い呼吸がしにくくなります。そのため酸素の取り込み量が減り、疲れやすくなる場合があります。また、自律神経の乱れにつながる場合もあります。
どうしても後ろで手を組んでしまう方へ
もし「落ち着くからどうしてもやってしまう」という場合は以下のポイントを意識してみて下さい。
- 組む位置を高くする
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腰ではなく肩甲骨を寄せるイメージで少し高めの位置で組むと胸が開いてストレッチ効果になります。
- 手のひらを外に向ける
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手のひらを外側に向けて組むと自然と肩が開きやすくなります。
- 交互に組み替える
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常に同じ手が上にならないよう意識して組み方を変える事で固定化を防ぎます。
信号やエレベーター待ちの時などやりがち?
信号やエレベーター待ちの数分間、手持ち無沙汰でつい後ろで組んでしまいませんか?実は信号やエレベーター待ちのあの数分は「老け見え」か「若見え」かの分かれ道でもあります。
信号待ちで後ろに手を組むとどうしても「休めモード」が出てしまいます。折角なのでその数分間を使って周りから「美しい姿勢」と思われるような立ち方に変えてみませんか?
そこでおすすめの「若見え待ちポーズ」をいくつかご紹介します。
- 「手を前で軽く重ねる」と好印象
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後ろではなく、おへその下あたりで軽く手を重ねるだけで印象は劇的に変わります。
- 身体へのメリット
- 胸が自然に開き、呼吸が深くなります。
- 外見・印象
- 「丁寧」「品がある」「活動的」というポジティブな印象を与えるかもしれません。
- カバンを利用する(手持ちの場合)
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もしカバンをお使いなら両手でカバンの持ち手を体の前で持つようにします。
- 身体へのメリット
- 両肩の高さが揃い左右のゆがみが取れます。
- 外見・印象
- 目的を持って立っているように見えるためシュッとした印象になります。
- 「こっそり体幹トレーニング」をしてみる
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手を組む代わりに以下のステップで待ち時間を過ごす事も、代謝が上がり腰痛予防にもなるためおすすめです。
- 足の裏全体で地面を踏む
- お尻の穴をキュッと締めるイメージで下腹に少し力を入れる
- 手は横に自然に垂らすかポケットの入り口に軽く添える程度にする
待ち時間の「つい」をストレッチ時間に
後ろで手を組みそうになったら「あ、今は肩甲骨を寄せるストレッチの時間にしよう!」と意識を切り替えてみるのは如何でしょうか?
後ろで手を組むのではなく肩甲骨をグッと寄せて数秒キープしてストンと脱力する。その後、手は自然に横に下ろす。
これなら猫背・巻き肩を防ぎつつ、姿勢を良くする習慣に変えることができます。
また、信号で立ち止まった時にどちらの手が上にくるか、あるいは指をどう組んでいるか意識してみる事もおすすめです。組み方のクセを知るだけで体のどちら側が凝りやすいかも推測できる場合もあります。



